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鉄道レポート

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【駅弁レビュー】東京 阿佐ヶ谷SATOブリアン監修「ウニのせ焼肉弁当」

では、ひとつひとつを見ていこう!

  • まずは「味付け蒸しウニ塩バター味」の紹介からだ。「蒸しウニ」は、総量で15gほどである。香りは、決して強くはなく、ほのかに磯の香りやバターの匂いがする程度だ。口に入れると、ふわっとした舌触りで多少の苦味は感じるが、ウニ自体が強めの塩とバターで味付けされているため、濃厚な「蒸しウニ」へと変貌をとげている。

     

    そもそも、ウニと牛肉がマッチするのか?という疑問は多くの方が感じるのではなかろうか。しかし、そんな心配は無用だ。ウニと牛肉を同時に口に入れれば「こんなマッチするのか」と思わず関心することだろう。

     

    駅弁の場合、輸送の問題等により「生ウニ」を使うのは難しい。そのため、大多数が「蒸しウニ」となるのだが「蒸しウニ」の場合、「生ウニ」の甘さや濃厚さ、ねっとりした舌触りは失われ、ボソボソ感が目立ち、物足りなさを感じる方は多いだろう。

    しかし、そこは「SATOブリアン監修」である。「蒸しウニ」をバターでソテーすることで、失われた濃厚さを補い、ボソボソ感を最小限にすることで、通常の「蒸しウニ」とは異なった食感を演出している。これは見事というほかない。

やっぱり肉なのだ!

  • 続いて「味付け和牛すき焼き」である。総量で25gほどだ。醤油と酢が混じった酸味の立つ香りで、例えるとドレッシングのような香りである。

     

    全体に白ごまがまぶされており、冷えて固まった油脂もところどころに見受けられる。口に入れるとガツンとくる濃い目の醤油とガーリック味で、食べるごとに食欲が増してくる。この味つけは絶妙だ。肉の質は高く、牛肉特有の臭みもなく、やわらかい。咀嚼を続けると最初は濃かった味が徐々に薄まり、牛肉特有の甘みが口いっぱいに広がる。最後には筋も殆ど残らず、すっと口の中から消えていく。

  • 次は「味付け和牛焼肉」だ。総量で25gほどである。上記の「味付け和牛すき焼き」に比べ、厚みがあるしっかりした肉で、より香ばしさを感じる。にんにくチップがあしらってあるとおり、こちらのほうがガーリックの香りが強い。とても芳しく、匂いだけでノックアウトだ。

     

    口に含むと、強めの噛みごたえでギュイっと音がする。だが、咀嚼は苦にならないもので、数回噛めば柔らかい肉へと変わっていく。香ばしさや肉の旨さが良くわかる味付けだ。

    冷めた肉とは思えないジューシーさで、この手の弁当にありがちな肉を漬け込んだ調味液のジューシーさではなく、肉汁のジューシーさなのである。口の中に広がる肉汁やガーリックの濃厚なコンビネーションが秀逸だ。

    食べ終わる頃には、唇の回りは牛肉のうまい油で煌々と輝くだろう。肉感たっぷりで満足感は十分だ。全体にこの肉が敷き詰められていたら至福の弁当だ。

飯に問題が…

  • そして、牛肉のお供である飯だ。総量でおよそ229gである。中サイズの飯茶碗で1膳半といったところだろう。飯の表面には、牛肉の油や調味エキスが染み込んでいるため、薄茶色になっている。

  • 固めの炊き加減ではあるのだが、写真をご覧いただくと分かるとおり、米の形状を保っている飯が殆どなく、糊化した部分が数多く見受けられる。

    米の重みで潰れた釜底の飯を“しゃもじ”でこそぎ取ったかのような飯であり、まるで「きりたんぽ」でも食べているかのような錯覚をおこした。これは正直いただけないレベルだ。

    筆者の手にとった弁当が、たまたまそういう飯であったのだと思いたいが、この価格帯の弁当にそういう飯を詰めるべきではないだろうし、そういった品質のバラつきは改善してほしいものである。

付け合せをみてみよう!

  • まずは「厚焼玉子」である。長さ4.1cm、横幅3.2cm、厚さ9.2mm、重さは12gほどだ。

    残念ながら「きゅうり漬物」と「キムチ」の香りや味移りがあり、「玉子焼き」の香りは消えている。味については、やや甘めの“一般的な玉子焼き”ではあるのだが、味や香り移りによって微妙な味になってしまい、美味くはない。これは改良すべき点だろう。

  • 「きゅうり漬物」だ。酢の物と言ったほうが的確かもしれない。総量で17gほどである。

    「厚焼玉子」に香りや味を移すだけあって、かなり強めの香りである。といっても、酢の物の香りで、酸っぱさの中にきゅうり特有の青臭さが顔をのぞかせているといった感じである。

     

    カリカリとした食感が小気味よく、最初に甘さを強く感じ、その直後に酸味がやってくる二段構えだ。

    このきゅうりだが、切り方にかなりの工夫がされ、最も薄いもので0.5mm、他にも、0.8mm、1mm、1.5mm、1.8mmとさまざまな厚さにカットされ、食感や調味液の吸収具合が微妙に違うのだ。

    その結果、同じ食材を同じ調味液に漬け込んでいても、複雑な味や食感を生み出しているという点に、ただならぬこだわりを感じるのである。

  • 最後は「キムチ」である。総量で17gほどだ。この「キムチ」はパサついたものではなく、箸上げすると、調味液が垂れるぐらいしっとりしたものとなっている。香りはいうまでもなく、にんにくたっぷりの「キムチ」だ。辛味は強めで酸味は殆どなく、甘みよりも塩分を強く感じる、いわゆる日本人好みの「キムチ」に仕上がっている。

    ほぼ白菜を使用した「キムチ」なのだが、ほんの僅かにネギと思われるものが入っていた。なかなか良い仕上がり具合だ。

■総評

  • 「牛肉煮」や「すき焼き風」の駅弁は数あれど、大半が甘辛醤油味のため、中盤から後半にかけて微妙に飽きがくるものが殆どであるが、この弁当はそれらとは対局をなすものである。

    というのも、味付けは醤油や塩、ガーリックをベースとしたものであり、甘さは殆どない。


    そんな味付けに対峙する箸休めとして「キムチ」や「酢の物」といった個性の強いものをチョイスしている。

    食べ合わせを十分に吟味した上で選んだ結果であろう。駅弁という厳しい制約の中で、よくここまで仕上げたものだと関心する。

  • 「厚焼玉子」や「飯」での課題は残るが、その他の具材選びや味付けは見事だ。「SATOブリアン監修」という名に恥じない仕上がりになっていると言えるだろう。

     

    今のところ、東京駅と新宿駅での販売ということだが、正直なところターゲットがよくわからない。

    ガーリックの香りが強いため、列車内で食べるのは相当な勇気が必要だろう。そうなると自宅に持ち帰って食すなどが考えられるわけだが、丸の内や新宿周辺で2,000円弱の出費をすれば、かなり美味しいものが食べられるというのが現実だ。

    そう考えると、東京駅や新宿駅でこの弁当を買う人は、どういう層なのかという疑問が残るのである。

     

    もしや、地方に帰る方が東京土産として購入することを狙ったものなのだろうか。もしそうだとすれば納得できなくもない。

     

    弁当のクオリティが高いだけに、もうすこしマイナーな駅で販売し、その駅自体を有名にしてしまうような話題性を作りあげた方が、駅にとっても弁当にとっても良いのでは?という気がするが、それは筆者の杞憂にすぎないかもしれない。

     

    ■ズバリ!このお弁当は買いなのか?

    予算が許せば、一度は手にとっていただきたい弁当

     

    ■こんな人におススメ

    肉好きな人、美味しい弁当が食べたい人、甘くない牛肉弁当が食べたい人

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