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呑んだら乗るな、呑むなら乗るな。ですが、呑んでも乗ってよければ吞みながら乗っても酔い、夢のような乗り物があります。それが鉄道。いや~本当、車窓を眺めながら駅弁に地酒、目的地でゆる~っと呑んで、再び乗って呑み、降りて呑み。ひたすら呑み続ける呑み鉄旅。今回は、高知の東側を走る、土佐くろしお鉄道の「ごめん・なはり線」で呑んできました。
使用した切符はこちら、ごめん・なはり線が一日乗り降りし放題になる「ごめん・なはり線フリー切符」1,640円。同線の主要駅と高知駅前の観光拠点、土佐テラスで買うことができます。私は東京から空港で行った為、のいち駅で購入。ちなみに、龍馬空港からのいち駅までは事前に乗り合いタクシーを予約しておくと500円で行くことができ、とてもお得です。
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ごめん・なはり線には5タイプの車両が走っており、中にはオープンデッキがついたものもありご機嫌。雄大な太平洋を眺めながらオープンデッキで一杯!昼から外で呑む酒はたまりませんね。ちなみに、車両は小さいながらトイレはしっかりついておりますので、呑んでも安心。
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そうこうしているうちに、一つ目の目的地、あかおか駅に到着。あかおかと言えば、どろめ(生しらす)がとれる春に行われるどろめ祭りでの大杯飲み干しで有名。大杯飲み干し、男性は1升を、女性は5合を一気飲みするという恐ろしい祭り。実は私も参加したことがあり、惨敗したことがあるというのは、ここだけの話で。
とにもかくにも、その大杯飲み干しで使われる日本酒を醸しているのが、高木酒造さん。あかおか駅から歩いて5分ほどになります。
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代表銘柄は「豊の梅」。林檎のような香りのする華やかなものから、じわっとお米の旨みの香り穏やかなものまで。地元の梨、梅、みかん、柚子で日本酒リキュールも作られており、ずらずら試飲させていただけますので、ご自分のペースで飲まれてください。くれぐれも呑み過ぎませんように。
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高木酒造に行く道すがらにあるとさを食堂さん。名物中日そばをはじめ、このあたりの名産のちりめんがたっぷり入ったちりめんおこげ、香南にら餃子などをいただくことができ、味のある店内で一献やるのも一興です。
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次の列車を待ちながら駅のホームで一献。
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続きましては和食駅。駅からほんの3分ほどに、2蔵目の仙頭酒造さんがあります。代表銘柄は土佐しらぎく。こちらのお酒、先日行われた2017年の市販酒のナンバー1を決めるコンテスト、sake conpetitionで純米吟醸部門で何と日本一になったのです。日本一ということは世界一。そんなお酒をずらずら試飲させていただき、購入できる幸せ。栗を使った焼酎、夢栗の試飲はアルコール度数高いですのでお気をつけて。こちらでは季節限定の土佐しらぎく美発泡生酒を購入し、再び駅へ。
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ごめん・なはり線蔵巡り、最後の蔵は隣駅赤野の有光酒造さん。ごめんなはり線はこのように各駅にあんぱんまんのやなせ先生が描いたキャラクターが飾られており、それらに逢いに行くのもまた楽しみ。
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駅から美しい砂浜と松林を見ることができる赤野駅。
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そこから歩いて15分ほど。赤野川を通り過ぎると有光酒造の煙突が見えてきます。車で訪れるとわからないこの周囲の空気感。どうりで酔い酒できるわという風光明媚なところです。
ま、車で行くと試飲もできませんしね。
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安芸駅到着。安芸駅は産直が直結で新鮮な野菜はもちろん、新鮮なお刺身も売られているのです。しかも安い!
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で、買ったネイリの刺身で昼から一献。ネイリとはカンパチの高知での呼び方です。奈半利で折り返す頃には夕刻で、夕焼けを眺めながら一献。そして後免駅から高知へと向かい、そこからが本番だというのは、ここだけの話で。
というわけで、3蔵も巡ることができ、呑んちゃんベエちゃんに夢のようですが、途中人気ジェラード屋さん、のいちには動物園、夜須には海水浴場とご家族でも楽しめる「ごめん・なはり線」この夏、ぜひごとごとしてみませんか?
よい「鉄分」を!
ライター:稲浪理恵