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JR、私鉄を問わず、関西の支線には高度経済成長期に活躍した懐かしの車両が走っています。
今回から4回にわたって、懐かしの車両が走る関西の支線を紹介します。
帰宅帰りや出張のついでに支線に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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阪急伊丹線は兵庫県尼崎市の中核駅、塚口駅と伊丹市の玄関口、伊丹駅を結ぶ全長3.1キロの支線です。塚口駅で神戸線に接続します。伊丹線は支線でありながら、列車本数が多いのが特徴。日中は10分に1本、朝夕は5~8分に1本のダイヤです。朝夕はビジネスパーソン、日中は沿線の大学に通う学生と買い物客で賑わいます。
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阪急伊丹線は塚口駅の端にある3号線から出発します。ホーム自体が曲がっており、電車とホームの間には隙間が空いています。電車に乗る際は十分にご注意ください。
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伊丹線の主力として頑張っているのが3000系です。3000系は神戸線の1500V化に対応するために、1964年(昭和39年)に登場しました。長年にわたり神戸線で活躍しましたが、2013年に神戸線から撤退。現在は伊丹線と今津北線(西宮北口~宝塚)で余生を過ごしています。なお、伊丹線は4両編成、今津北線は6両編成で走っています。
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私が乗った3054編成は昭和40年製造です。ですから、今年が52年目となります。末永く活躍してほしいものです。
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もう登場から50年以上が経過していますが、車体、車内共にピカピカ。阪急電鉄の整備の良さを感じさせます。なお、2014年までは看板式の3000系もありましたが、現在は全て方向幕付きの車両になっています。
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阪急の車内の特徴は車両によって大きな差がないこと。木目調とゴールデンオリーブ色の座席の組み合わせは阪急の「伝統」となっています。しかし、よく観察すると「3000系らしさ」があちこちで見られます。
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これは阪急独自の窓の日よけです。阪急はこの日よけを使い続けてきましたが、最近の新車、リニューアル車ではフリーストップ型の新しい日よけを採用しています。そのため、この日よけも数を減らしています。
急カーブとまっすぐな直線が特徴の伊丹線
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伊丹線の目玉が塚口駅付近にある急カーブ。3000系は低速できしませながら、塚口駅へと入っていきます。
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塚口駅からは急カーブを利用して、このような写真が簡単に撮れます。
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10:26分、3000系は伊丹に向けて塚口駅を発車しました。ところで、3000系は発車時に「プシュ」と勢いのある音を出します。ぜひ、3000系に乗った際は「音」にも注目してください。
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伊丹~新伊丹:塚口行きの車内から
沿線はこのような住宅地が広がります。線形は写真のようなまっすぐな直線。これだけ見ると、とても「支線」とは思えません。3000系は伊丹線を淡々と走っていきます。
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10:32分、高架駅になっている伊丹駅に到着。たった6分間の短い伊丹線の旅が終わりました。伊丹駅にはラッシュ時に走る別の3000系が休んでいました。3000系は休む間もなく、塚口駅へと戻っていきます。
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大阪国際空港(伊丹空港)から阪急3000系に会える
伊丹駅がある伊丹市は昔から「清酒発祥の地」として有名です。そのため、伊丹駅には酒造メーカーの広告が目につきます。また、伊丹市には日本酒の博物館もあるので、時間がある方は伊丹で日本酒めぐりをしてみましょう。
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伊丹駅は伊丹市の玄関口とあって、立派な駅ビルです。1995年の阪神大震災で全壊し、 1998年に再建されました。なお、JR宝塚線の伊丹駅へは徒歩約15分の道のりです。
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「伊丹」と聞くと「伊丹空港」(大阪国際空港)を思い出される方も多いのではないでしょうか。 伊丹駅からは伊丹空港行きのバスも出ています。そのため、伊丹空港を利用したついでに伊丹線の3000系に会うこともできます。